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2007年08月06日

●山崎豊子『不毛地帯』

今日は山崎豊子『不毛地帯』を紹介します。

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山崎豊子 『不毛地帯』新潮社 1983年


1976年に発行のハードカバー版が実家の本棚眠っていたのを手に取ったのに最近気付き手に取った作品です。

さてこの本のストーリーを超簡単に紹介すると…

大本営参謀の壱岐正(いきただし)は太平洋戦争終戦の詔に反し武装解除に応じない関東軍を説得する為に満州国の新京に向う。しかしソ連軍に囚われシベリヤに抑留。日本に帰国後は関西の商社近畿商事に就職。ビジネスマンとして辣腕を振るう。



まずこの作品は全4巻から構成されているのですが、1?2巻と3?4巻では少々作品の雰囲気が異なっています

1?2巻は主人公壱岐正が敗戦後シベリヤへ抑留され、東京裁判に出廷したり、強制労働に従事させられた部分にページの多くが割かれています。

そして3?4巻は近畿商事の重役として壱岐は世界各地を駆け巡り、ロマンスもあったりなど『課長島耕作』的な展開です。


このように前半と後半で若干雰囲気を異にしますが、全巻通して描かれているのが主人公壱岐正の今まで経験してきた大本営参謀のとしての経験とその中で培われてきた信念

つまり日本は過去の敗戦を踏まえた上でどう進むべきなのか?という参謀として身につけた大局的な分析に基づき、壱岐はビジネスの世界で辣腕を振るい、その姿はあまりにカッコよくて痺れました^^

そしてラストに取った壱岐の選択は…まるで武士のようでこれまた痺れます^^


こうした壱岐のカッコよさだけでなく、欲望に翻弄される人間の姿や、日本が敗戦の痛手から立ち直り、経済を舞台に世界各地で活動をする戦後日本の歴史などいろいろな要素がてんこ盛りで非常に読み応えのある作品になっています。

僕が『不毛地帯』の他に読んだ山崎豊子の作品は『大地の子』なのですが、どの作品もかなりのボリュームながら、夢中になって読ませてくれる作品でした。

【過去のエントリ:山崎豊子『大地の子』


今度読もうと思っている山崎作品は…『白い巨塔』かな♪












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スレッドテーマ:読んだ本。:本・雑誌

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コメント

●なかなか勉強になりますよね
うんぼぼさんこんばんは♪
不毛地帯、読み応えありますよね~。大地の子もそうですが、山崎豊子さんの作品は、心にずしーんときて、日本の戦争についてなど、いろいろ考えさせられます。
「二つの祖国」は、東京裁判についてでしたよ。『課長島耕作』的な展開はなく、めずらしく?カタルシスは味わえませんでしたが。。。
次は白い巨塔ですか^^ 楽しみですね。
「沈まぬ太陽」(日航機墜落事故について)もおすすめです。(こちらもページをめくる手が止まりません)

コメント

●もも さん
現在バカンスを満喫している所なので、
本棚に眠っている未読の本を読みまくっています^^

近いうちに『白い巨塔』『沈まぬ太陽』に手をつけようと思っています。

コメント

●「不毛地帯」の登場人物
主人公はフード業界の雄・〇藤忠商事の経営システムを近代化した瀬島龍三氏がモデルだと巷で言われているのに、山崎豊子さんが徹底して否定していることでも有名ですね。
現在でも財界で権力を握っている瀬島氏からは、うんぼぼさんが感銘を受けたという「武士のような引き際の潔さ」が感じられないからでしょうか?
私は、主人公とはライバル関係にある“へその緒を切った時からのような生粋の商社マン”の、生身の人間が逃れられない業を擬人化したような姿が印象に残っています。

コメント

●猫型人間 さん
実は僕が瀬島龍三を初めて知ったのは恥ずかしながら数年前に笑福亭鶴瓶が司会のトーク番組「平成日本のよふけ―こんな人おったんかスペシャル」で、彼はこれに6回ほど出演したのですが、多くの歴史的な重大事件に遭遇したこともあって話に重みを感じました。

そして彼の話を聞いていて信念(彼はラストで「本分」という言葉を繰り返し使っていました)のようなものを感じもしました。

ですから『不毛地帯』の壱岐正が少々オーバーラップしました^^


>現在でも財界で権力を握っている瀬島氏からは、うんぼぼさんが感銘を受けたという「武士のような引き際の潔さ」が感じられないからでしょうか?


確かに瀬島氏については賛否両論があり、僕としてもわずか数時間ほどのトーク番組だけで瀬島氏の人となりを理解出来るとは思わないし、全面的に彼の話を信頼するのは若干問題があるとは思いますが、「歴史の証人」としての彼の存在は戦争を知らない世代が多くなった現在の日本において非常に貴重な人であると考えています^^

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●瀬島龍三氏
うんぼぼさん、こんばんは。
>賛否両論
確かに戦争中と現代では価値観そのものが全く違いますし、同じ時代のその出来事を知っている人でも、当事者と傍観者では全く感じ方が違う訳ですから断言はできませんね。
山崎豊子さんは、新聞記者時代の上司だった故・井上靖氏に「文章力は川端康成氏ほどの人以外は誰でも大差ないが、山崎さんは扱うテーマの選択だけで100点のうち50点は取れている」と評価されたことがあるそうです。「華麗なる一族」も原作の一読をお勧めします。
今年のドラマ化の時には主演俳優が力不足だと酷評しましたが、それが他の登場人物達の目線にもなれる原因になったのではないかと最近は思っています(^_^;)。

コメント

●猫型人間 さん
レスの方が遅れて申し訳ありません。

>確かに戦争中と現代では価値観そのものが全く違いますし、同じ時代のその出来事を知っている人でも、当事者と傍観者では全く感じ方が違う訳ですから断言はできませんね

同感です^^

でも巷ではそのことを理解せず、現代の自分のスタンスや歴史観に立つばかり、というかそれが先行しすぎるあまり、過去の歴史を一方的に批判している人も多いと個人的には感じています。

コメント

●価値観
最近「白いスーツで就活を」という実用書を読みましたが、文中で著者は“現在の常識が10年後も通用すると思ってはいけない”と書いていました。
確かに私が新卒の頃(15年も前…映画「バブルへGO!」の頃です(^^ゞ)は「紺色の膝丈スーツ+ボウタイつき白ブラウス」が、女子の制服のようでしたが今は官公庁や大手都市銀行ならともかく一般企業は逆にパンツスーツで男性同様に活発に働けることをアピールする傾向が年々強くなっています。
10年どころか、1年単位で“常識”は変動していることを感じることも多いです。

コメント

●猫型人間 さん
>1年単位で“常識”は変動

僕も近頃の中高生が「ポニーテール」という言葉を使わないことに愕然(?)とした事があります^^;

「じゃあ何て言うの?」と聞いた所、「後ろでまとめる」でした。

まんまですね^^

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